水素混合ガス製造技術が切り拓く次世代ガスエネルギー
当社ではガス燃焼時のCO2排出量を削減する為に、水素混合ガスの製造に取り組んでいます。
例えば、一般に利用されているプロパンガスなどに、水素を混合することにより、燃焼時のCO2排出量を混合した量に応じて削減することが可能になります。
この際、燃焼時の発熱量や燃焼速度(MCP)、燃焼性指数のウォッベ指数(WI)などが定められた数値の範囲内から逸脱しない様に混合することが重要になります。
また、製造された水素混合ガスについて、製造時及び利用時において漏洩時のガス検知やインターロックによる自動停止など、十分に安全に配慮することにより通常通り使用することが可能になります。
当社では、水素混合ガスの製造に於いて、制御系機器とガスクロマトグラフィー、PC等を用いることにより自動で目標とする濃度の水素混合ガスの製造が可能となっております。
水素混合ガス製造 概略フロー

水素混合ガスをガスエンジンやボイラーなど産業機器に供給することでCO2排出量の削減に繋がることは勿論ですが、将来的には家庭用のガス利用機器に安全に供給することで生活から発生するCO2の排出量の削減にも繋がることとなります。
水素混合ガスの基礎知識
水素混合ガスとは
水素混合ガスとは、既存の都市ガスやプロパンガスなどに水素を一定割合で混ぜて利用する方式です。
・水素 5〜20% 程度を天然ガスに混合
・家庭用給湯器・工業炉・ガスタービンでの実証が進んでいます。
・燃焼時の CO₂ を削減できる「過渡期の脱炭素手段」として注目されています。
水素混合ガスのメリット
① CO₂排出量の削減
水素は燃焼しても CO₂ を発生しません。
そのため、水素の混合率に比例して CO₂ 排出量を低減できます。
② 既存インフラを活用可能
水素単独のパイプライン整備には設備投資が必要となります。しかし水素混合ガス「既存の都市ガス管」や「既存の給湯器・工業炉(軽微な改修で対応可能なものが多い)」をそのまま利用できる可能性が有り、過渡期の導入がしやすいのが強みです。
③ 発電・工業プロセスのCO2排出削減に寄与
ガスタービン発電や焼却炉、ボイラーなどで水素との混焼が進めば産業部門のCO2削減につながる。
④ 水素市場の拡大とコスト低下に貢献
水素混焼は水素の需要喚起になるため、水素製造・輸送の規模拡大、将来の水素単独燃焼への移行にもプラス効果があります。
水素混合ガスの課題
① 水素価格の高さ
現状、水素は天然ガスよりも高コスト。
混焼を導入すると 燃料費が上がる 可能性があります。
② 水素の製造方法による環境負荷
水素には種類があります。
- グリーン水素(再エネ由来) → 最も環境に優しい
- ブルー水素(CCUS付き) → コストが高い
- グレー水素(化石燃料由来) → CO₂排出が多い
水素の“製造方法”によって、環境性が大きく変わる点には注意が必要です。
③ インフラ・配管の安全性
水素は適切に扱わないと漏洩する可能性がある為、既存ガスインフラの安全検証が不可欠です。
④ NOx増加など燃焼挙動の違い
水素は火炎速度が速いため、
- バーナーの改良
- NOx対策
- 燃焼制御システムの調整 など設備側の改善が必要です。
水素混合ガスは「移行期の有力技術」
水素混合ガスは、
- 既存インフラを活かしながらCO₂削減できる
という点で、2050年カーボンニュートラルに向けた現実的なステップです。
一方で、コスト、安全性、水素製造方法などの課題もあり、
最終的には 水素100%燃焼への段階的移行が求められます。
まとめ
水素混合ガスは、ガスの脱炭素化の入り口として世界各国で実証が進んでいます。
短期的な実装性とインフラ互換性の高さから、当面の脱炭素手段として非常に有効であると考えられます。
当社ではガス燃焼時のCO2排出量を削減する為に、水素混合ガスの製造に取り組んでいます。
